米国:健康被害やセクシュアルハラスメントなど、女性ギグワーカーのジェンダー特有のリスクへの対応不足が報じられる

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スペインの新聞エル・パイス紙の調査により、女性のギグワーカーが業務中に顧客や一般市民から性別特有のさまざまなリスクにさらされている実態が明らかとなった。ニューヨーク市が最近発表した報告書によると、配達員のうち女性は全体の24%を占めている。報告書に証言した労働者は、顧客からのセクシュアルハラスメントや脅迫、配達ノルマの厳しさにより生理中に適切な対応が困難であること、トイレにアクセスできないこと、歩行者や交通による身体的リスクにさらされることなどを訴えている。多くの場合、これらは休憩なしの状態で行われている。
一方で、女性のギグワーカーは、仕事の柔軟性については肯定的に評価しており、家庭でのケアワークと両立しやすいという利点を挙げている。しかし、家庭内でより多くの責任を担っていることから、男性の配達員のように集会や組織化の場に参加することが困難であり、ギグワーカーのドライバーによるアクティビズムは男性主導となる傾向がある。報告書は、「セクシュアルハラスメントからの保護や生理期間中のトイレ利用といった女性特有のニーズは無視されている」と指摘し、ジェンダーに基づく懸念が周縁化されている実態を浮き彫りにした。
ビジネスと人権リソースセンターは、この件に関してドアダッシュ、グラブハブ、リレイの3社に本件への見解を求めたが、いずれの企業からも回答はなかった。